もはやWeb広告もターゲティングが重要じゃなくなってる
今日、フォーム系のASPを提供する会社が作ったDMPの提案を聞いた。ユーザーのECなどでの登録情報を使って、正確な年齢、性別、購入商品カテゴリ、購入金額・・・などによりターゲティングをする広告用DMPの提案。たぶん2-3年前だったら飛びついて実施してたけど、今聞いても「あんまり成果は出ないだろうな」と思ってしまった。
「スマホシフト」という話はたぶん5年前くらいからずっと言われ続けてきて、実際にスマホで出せる広告の枠はかなり増えてきた。以前はスマホの画面の下に出る横長のバナーとリスティングくらいだったけど、今はいろいろな形でスマホにも広告を出せるようになった。
でもスマホではPCと同じようには広告の効果が出ない。それは画面が小さくて情報量が少ない、という理由もあるだろうけど、一番はWebの使われ方自体が、PCとスマホで大きく変わったことがあると思う。
これは傾向の話だけど、PCを使っている時は、なんらかの目的があって使っていることが多いと思う。調べ物をしていたり、仕事をしていたり、ブログを書いたり。一方でスマホを使っている時は、目的がなくても使う。ゲームしたり、なんとなくニュースを読んで情報収集したり、音楽聞いたり。これが1つ目の変化。
そこで広告を当てることを考えると、PCの方が簡単で、ユーザーの目的に合った広告を当てれば、そのユーザーはサイトをクリックしてくれる可能性が高い(リスティング広告が最たる例)。でもスマホだと、そもそも「なんとなく」使ってるから、興味のあるもの、気になったもの、面白いものしか見ない。広告を当てようにも、まず興味を持ってもらえないと見てすらもらえない。だから、いくらターゲティングしても、面白い広告じゃないと見ない。
あとスマホになって、1つのサービスの滞在時間が極端に長くなったと思う。LINE、Twitter、YouTube、ニュースアプリ・・・など、1つのサービスをずっとなんとなく眺めていることが多い。PCの時代なら、利用の目的が人によって違うから、ポータルサイトからいろんなサイトにアクセスしていた。これが2つ目の変化。
スマホの広告では、LINEなど特定のサービスに広告を出していれば、ほとんどのユーザーにリーチできるようになる。PC時代に流行ったアドネットワークは、あまり意味がなくなってくる。
すると、仮にターゲティングをかけていたとしても、ユーザーは似たような広告ばかりを目にするようになる。Twitterで化粧品会社をフォローしてたら、化粧品の広告ばかり出るとか。そうなると、ターゲティングよりも、どんな広告を出すかの方が重要。
上記2つの理由で、Web広告でも「ターゲティングよりクリエイティブ」、「誰に見せるかよりも、どうやって見てもらうか」の方が大事になってきてるとすごく感じる。
最近は運用の人と話すよりも、クリエイティブの人と話すほうが建設的な話ができる感じがする。代理店ではすでにこういう話されてるのかな・・・。